子宮内膜症の開腹手術
子宮内膜症で開腹手術が必要になるケースとは?
子宮内膜症の治療法には、大きく分けると「手術療法」と「薬物療法」の2つがあります。
どちらの治療法を採用するかは、医師の判断と患者の希望にもよりますが、どちらかというと症状が軽い場合に薬物療法、症状が重く癒着なども進んでいるという場合は手術療法が採用される傾向にあります。
手術療法には、「開腹手術」と「腹腔鏡手術」とがあります。最近は、身体に負担の少ない腹腔鏡手術が行なわれることの方が多いのですが、それでも症状によっては開腹手術しか方法がないという場合もあります。
では、子宮内膜症の治療で開腹手術が必要になるケースとはどういうものなのでしょうか?子宮内膜症の治療で開腹手術が必要になるケースは、臓器の癒着が進んで広い範囲にみられる場合です。
癒着とは本来なら別個のはずの臓器がくっついてしまうことですが、この癒着があちこちでみられるような場合は、腹腔鏡手術では対応できず、開腹手術となります。また、子宮や卵巣を全摘出する場合も開腹手術となる場合が少なくありません。
開腹手術というと、怖いイメージを持つ人は多いと思いますが、開腹手術を行なうと、身体への負担が重く回復に時間がかかるため、上記のようなケースを除いてはほとんど行なわれることはありません。
とはいえ、子宮内膜症が進行していて治療が遅れると、開腹手術しか方法がないということになりますから、早めに治療を始めるのは大切です。
開腹手術のメリットとデメリットとは?
子宮内膜症の開腹手術のメリットとデメリットとは何なのでしょうか?ご説明いたします。
開腹手術のメリットは、腹腔鏡手術と比べて手術の時間が短くて済むということでしょう。
また、腹腔鏡手術は、お腹に小さな穴を開けて、そこから腹腔鏡という内視鏡を入れて、テレビモニターに映った画像をみながら手術を行ないます。
そのため、医師の側にある程度の高い技術が求められますが、開腹手術は腹腔鏡手術よりも難易度が低いという点においてメリットがあるといえるでしょう。
開腹手術のデメリットは、やはり身体への負担が重いこと、また、腹腔鏡手術と比べて出血量が多いという点があります。
傷が大きい分、術後の回復にも時間がかかります。開腹手術をした患者さんの場合は、平均して1ヶ月くらいは回復するまでに時間がかかっているようです。
また、もし開腹手術によって子宮や卵巣、卵管を取り除いた場合は更年期障害の症状が出てくることがあります。そのため、手術時に卵巣の一部を残すことによって対応するケースも少なくありません。